ミキ天才、又吉先生天才
年が明けてあっという間に1月2月が過ぎた。
今のところ今年一番笑ったのは…
元日のヒットパレードでやっていたミキの漫才「温泉の素(カニカマ)」が衝撃的な面白さだった。もっと話題になってもいい。
あとオードリーANN東京ドーム公演で、春日さんの愛車ゲレンデ汚しのコーナーが始まったとき、「バラエティだー!!」と心躍った。
友人に薦められて読んだ又吉先生の「劇場」がめちゃめちゃ良かった。
他人に抱くルサンチマンの描写が生々しすぎて、身に覚えがあってきつかった。
人類の大昔、孤独感を抱かなかった個体は一人で行動することに危機感を覚えず、食料にありつけなかったり他の生き物に襲われたりして淘汰されていき、孤独感を抱き集団から外れることに危機感を覚えた個体の遺伝子が残っていった。その結果現代の人類も孤独感を催し、ときに苛まれる。という話を聞いたことがある。
例えばこの小説に大きく描かれている羨望や嫉妬も、人類の生存や再生産のために必要なものだったんだろうな。それらの汚いとされる感情を苦しみながら内省するシーンに思わずスピンを挟んでいた。
勝手に感情や欲求を催す肉体を、ある程度の道徳が染み付いた精神で反省すると、そりゃあしんどい。
感情や欲求はより個のために、道徳はより集団のためにあるはずなので、そう考えると肉体と精神がぶつかり合うことは自明で、たったそれだけのことなんだとドライに受け止められる。はずなのにたまに、”人間はなんて汚い生き物なんだ”と絶望を見つめて引きずり込まれそうになる。
小説には事細かに思考や感情を書き込んでくれているタイプと、それらをできるだけ書かないことで読者の精神を反射する鏡になるタイプとがある気がする。又吉先生はどちらかというと前者かな?
下北沢周辺の風景と、肯定の「ごめん」と否定の「ごめん」で挟んだ大恋愛が美しいお話でした。
東京の冬って晴れの日が多い気がするけど、今年の2月は雨の日が多かったなあ。
いっちょまえに花粉にも悩まされている(地元沖縄には花粉症がない)。