2023-12-03
千鳥の食レポで考える哲学
ショーペンハウアーの本を一年以上かけて読んでいる。難しすぎて進まない。
自分の理解に自信がないが、人間が外界を認識する仕組みを事細かに説明していて、その一つの”理性”についてショーペンハウアーは「概念を用いて抽象的に認識する能力」と言っている(はず)。理性は不正確な場合もあるということを説明する中で、派生して笑いについて述べている一節があった。
“笑いが生じるのはいつでも、ある概念と、なんらかの点でこの概念を通じて考えられていた実在の客観との間に、とつぜんに不一致が知覚されるためにほかならず、”
『意志と表象としての世界I』第十三節より
と一文に集約されている。
実例を考えてみたかったので、千鳥が食レポをするときのくだりを思い出してみた。
桜エビかき揚げ丼を食べて−−、
大悟「桜エビが甘い、一番甘いんとちゃうかな」
ノブ「どれくらい甘い?」
大悟「落合(博満監督)の子育てくらい」
ノブ「甘い!」

『甘エビ』も『落合の子育て』も【甘い】という言葉が囲う概念に属していながら、全く違うものである。ってことであってるかな…?たしかに”例えの笑い”を実例に挙げるとすごく納得がいく。
「読者が思い出すどんなおかしなことも、これを例証するのに役立つから」と言って、ショーペンハウアーは実例を挙げていない。色んな笑いがあるように思うけど、果たして全てこれで説明できるのかどうか暇な時にゆっくり考えてみたい…。
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